国民的漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称「こち亀」。数多くのエピソードの中でも、特に強烈なインパクトで語り継がれるのがゴキブリをテーマにした回です。
この記事では、こち亀のゴキブリに関する登場回や、ネットで話題になったゴキブリ大行進の伝説、そしてトモダチと文字を描くのは何話なのかといった疑問に答えます。
さらに、抱腹絶倒のギャグシーンやネタ・名シーンを振り返りながら、両津勘吉が見せるユニークなリアクションや記憶に残る名言・セリフも紹介。また、ゴキブリが裏返すのはなぜかという素朴な疑問や、両さんがゴキブリ養殖に手を出す驚愕の展開、アニメと漫画での表現の違いにも迫ります。
こち亀ファンなら誰もが気になる、あの衝撃エピソードの全貌を解き明かしていきましょう。
- こち亀でゴキブリが登場する伝説的なエピソードの具体的な巻数と話数
- 「ゴキブリ大行進」や「トモダチ」と文字を描く回の詳細なあらすじ
- 両津勘吉とゴキブリが織りなす爆笑必至のギャグシーンや名言
- アニメ版と漫画版における表現の違いや特有の見どころ
ゴキブリが登場するこち亀の伝説回を紹介

- ゴキブリの登場回を巻数ごとに解説
- ゴキブリ大行進!はトラウマ回
- 両さんのゴキブリ養殖というとんでもない発想
- トモダチと文字を描くのは何話?
- ネットで話題になった衝撃のラストシーン
ゴキブリの登場回を巻数ごとに解説
こち亀において、ゴキブリがメインで扱われる特に有名なエピソードは2つ存在します。どちらも読者に強烈な印象を残しており、ファンの間では伝説の回として語り継がれています。
一つは、両さんがゴキブリの養殖を始める「ゴキブリ大行進!の巻」。そしてもう一つが、ゴキブリが文字を描いて両さんを挑発する「野生へ帰れ!の巻」です。これらのエピソードは、単なる虫の登場に留まらず、こち亀ならではの奇想天外なストーリー展開と結びついています。
以下の表に、それぞれの話がどの単行本に収録されているかをまとめました。
エピソード名 | 漫画収録巻 |
ゴキブリ大行進!の巻 | 76巻6話 |
野生へ帰れ!の巻 | 80巻1話 |
これらの回はゴキブリが大量に登場するため、読む際には少し注意が必要かもしれません。しかし、それを乗り越えるほどの面白さがあるのも事実です。
ゴキブリ大行進!はトラウマ回

「ゴキブリ大行進!の巻」は、多くの読者にとって忘れられない、ある種のトラウマ回として知られています。このエピソードは『週刊少年ジャンプ』1991年38号に掲載され、単行本では76巻に収録されました。
物語の冒頭には「今回の作品は、気の弱い方、虫の嫌いな方、食事中の方は見るのを御遠慮下さい」という注意喚起がなされており、その内容の衝撃度を物語っています。物語のクライマックスでは、増殖した10万匹以上のゴキブリが寮の部屋から一斉に解き放たれ、ニコニコ寮が阿鼻叫喚の地獄絵図と化します。
このエピソードがトラウマ回と呼ばれる理由は、その圧倒的なゴキブリの量と、パニックに陥る登場人物たちの描写が生々しいからです。後の体験者が「まさに地獄絵図だった」と語るほどの惨状は、ギャグ漫画の枠を超えた恐怖を読者に与えました。
両さんのゴキブリ養殖というとんでもない発想
この物語の発端は、両津勘吉の金儲けへの尽きない探求心から始まります。中川の会社が実験用にゴキブリを買い取っていると聞いた両さんは、害虫駆除で儲けつつ、捕まえたゴキブリを転売するという一石二鳥のビジネスを思いつきます。
しかし、野生のゴキブリを効率よく捕まえるのは難しく、業を煮やした両さんはゴキブリの生態を徹底的に研究。そして、自らの手で養殖するという大胆な計画に切り替えるのです。ニコニコ寮の空き部屋を飼育部屋に改造し、最適な環境を整えて大量繁殖に成功させます。
本来は駆除対象であるゴキブリを、ビジネスのために養殖するという常人では考えつかない発想こそ、両さんならではと言えるでしょう。この破天荒なアイデアが、後の大惨事を引き起こす原因となります。
トモダチと文字を描くのは何話?

ゴキブリが「トモダチ」や「バカ」といった文字を描くエピソードは、単行本80巻の第1話「野生へ帰れ!の巻」で読むことができます。この話もまた、ゴキブリ関連のエピソードとして非常に有名です。
あらすじ
物語は、両さんと同棲していたマリアが女子寮へ移った直後から始まります。家事をしてくれる人がいなくなり、両さんの部屋はわずか1ヶ月で元のゴミ屋敷状態に逆戻り。そこに、かつて部屋を支配していた大量のゴキブリたちが再び現れます。
天井に張り付いたゴキブリたちは、群れで「バカ」という文字を作り、両さんを挑発。これに激怒した両さんが殺虫剤で反撃しようとすると、ゴキブリたちは今度は命乞いをするかのように「トモダチ」という文字に隊列を組み替えます。この変わり身の速さが、読者の笑いを誘いました。
ネットで話題になった衝撃のラストシーン
前述の通り、「ゴキブリ大行進!の巻」の結末は非常に衝撃的です。両さんが飼育を放棄した結果、養殖部屋で10万匹以上に増殖したゴキブリ。そうとは知らない寮母さんが、新しい入居者をその部屋へ案内してしまいます。
ドアが開けられた瞬間、解放された10万匹以上のゴキブリが一斉に飛び立ち、ニコニコ寮を埋め尽くすという大パニックが発生。住民たちは絶叫し、ベランダから飛び降りて逃げる者まで現れる始末でした。責任者である両さんは、惨事を察知して一足先に逃亡しています。
この常軌を逸した結末は、長年にわたりファンの間で語り草となっており、ネット上でも「こち亀で最もヤバい回」として頻繁に話題に上ります。ギャグの範疇を超えたスケールの大惨事が、このエピソードを伝説的なものにしました。
ゴキブリとこち亀の強烈なギャグシーン

- 腹筋崩壊の爆笑ギャグシーン
- 記憶に残るネタ・名シーンの数々
- 両津勘吉の秀逸なリアクション
- ファンが選ぶゴキブリ回の名言セリフ
- アニメと漫画での表現の違いは?
- ゴキブリが裏返すのはなぜ?作中の描写
- ゴキブリとこち亀の魅力を総まとめ
腹筋崩壊の爆笑ギャグシーン
こち亀のゴキブリ回は、恐怖だけでなく、それを上回るほどの笑いが詰まっています。「野生へ帰れ!の巻」で見られるゴキブリの文字作りは、その代表例です。
ゴキブリたちが集団で「バカ」と描き両さんを挑発するシーンは、害虫であるはずのゴキブリに知能とユーモアがあるかのような描写で、読者の意表を突きました。さらに、殺虫剤を向けられた途端に「トモダチ」と文字を変えて媚びを売る姿は、彼らのしたたかさと両さんの単純さが絶妙に絡み合い、大きな笑いを生み出しています。
このように、極限の状況下で見せるキャラクターやゴキブリたちの必死の行動が、恐怖をギャグへと昇華させているのです。
記憶に残るネタ・名シーンの数々

こち亀のゴキブリ回には、一度見たら忘れられないネタや名シーンが豊富にあります。
意外な計算能力
「ゴキブリ大行進!の巻」では、普段は単純な性格として描かれる両さんが、驚くべき一面を見せます。放置したゴキブリの数を計算する場面で、彼は平方根まで用いた大学レベルの方程式を脳内で瞬時に組み立て、3ヶ月で10万匹以上に増殖していることを突き止めます。この意外な頭脳明晰さと、その結果に絶叫する姿のギャップが面白いシーンです。
現実になった事件
余談ですが、2013年には中国で実際に養殖場のゴキブリが100万匹以上脱走するという事件が発生しました。こち亀で描かれたフィクションの惨事が現実のものとなり、このエピソードの先見性が話題になったこともあります。
両津勘吉の秀逸なリアクション
ゴキブリ回がこれほど面白いのは、主人公である両津勘吉のリアクションによるところが大きいです。
最初は金儲けのためにゴキブリを利用しようと意気込むものの、事態が自分の想像を超えると、途端に恐怖し、慌てふためきます。10万匹という計算結果を導き出した瞬間の絶叫や、養殖部屋のドアの隙間から聞こえるおびただしい羽音に怖気づく姿は、普段の豪快な彼とのギャップがあり非常に人間味にあふれています。
そして最終的に、自らの責任を完全に放棄し、「わしは逃げる!後は知らん!」と叫んで逃亡する姿は、彼の無責任さを象徴する名リアクションと言えるでしょう。
SNSでの口コミ
ファンが選ぶゴキブリ回の名言セリフ

これらのエピソードには、状況の異常さを的確に表現した名言やセリフがいくつも登場します。
- 「今回の作品は、気の弱い方、虫の嫌いな方、食事中の方は見るのを御遠慮下さい」作者による冒頭の注意書きですが、これから始まる惨劇を的確に予告しており、読者の期待(と恐怖)を煽る名文句です。
- 「わしは逃げる!後は知らん!」両さんが全ての責任を放棄して逃亡する際に放ったセリフ。彼の性格を完璧に表しており、ある意味で清々しさすら感じさせます。
- 「まさに地獄絵図だった」ニコニコ寮の惨劇を生き延びた人物が、後に当時を振り返って語った言葉。この一言が、パニックの凄まじさを物語っています。
- 「派手なゴキブリ退治だ」「野生へ帰れ!の巻」のラストで、ガス漏れにより自室が爆発したにもかかわらず、それをゴキブリ退治の成果だと言い張る両さんのセリフ。彼の強がりとポジティブさが表れた一言です。
アニメと漫画での表現の違いは?
こち亀のゴキブリに関するエピソードは、アニメ化されているものと、そうでないものが存在します。
調査したところ、「野生へ帰れ!の巻」はアニメ化されている可能性がありますが、「ゴキブリ大行進!の巻」については、その過激な内容からアニメ化が見送られたか、あるいは大幅に内容が変更されたと考えられます。テレビ放送という媒体の特性上、10万匹のゴキブリが画面を埋め尽くすといった描写は、視聴者に与える刺激が強すぎると判断されたのかもしれません。
漫画では作者の裁量で自由な表現が可能ですが、アニメでは倫理的な規制やスポンサーへの配慮など、さまざまな制約が加わります。そのため、漫画で可能だった過激な描写が、アニメではマイルドな表現に差し替えられることは珍しくありません。
ゴキブリが裏返すのはなぜ?作中の描写

作中でゴキブリが殺虫剤によって退治される際、ひっくり返って裏返る描写がなされています。これは漫画的な表現であると同時に、実際の生態とも関連しています。
一般的に、昆虫用の殺虫剤の多くは神経系に作用します。薬剤にさらされたゴキブリは神経伝達が異常をきたし、筋肉がけいれんを起こしてうまく体を制御できなくなります。その結果、体のバランスを崩し、重心が高い背中側から倒れてひっくり返ってしまうのです。
こち亀では、そうしたリアルな描写をギャグの文脈に取り入れることで、物語に妙な説得力と面白さをもたらしています。


ゴキブリとこち亀の魅力を総まとめ
この記事で解説した、こち亀のゴキブリに関するエピソードの要点を以下にまとめます。
- こち亀にはゴキブリがテーマの有名な話が複数ある
- ゴキブリ養殖の話は単行本76巻収録の「ゴキブリ大行進!の巻」
- ゴキブリが文字を作る話は単行本80巻収録の「野生へ帰れ!の巻」
- 「ゴキブリ大行進!の巻」は冒頭に読者への注意書きがある
- 両さんは金儲けのためにニコニコ寮の空き部屋で養殖を始めた
- 放置した結果ゴキブリは3ヶ月で10万匹以上に増殖した
- 両さんは大学レベルの方程式で繁殖数を計算している
- 最終的に10万匹のゴキブリが寮内に解き放たれ大パニックとなった
- この惨劇は体験者に「地獄絵図」と語られている
- 「野生へ帰れ!の巻」ではゴキブリが「バカ」という文字を描き両さんを挑発する
- 殺虫剤を向けられると「トモダチ」と描き命乞いをする
- 両さんの極端なリアクションが物語を面白くしている
- 責任を放棄して「わしは逃げる!」と逃亡するシーンが有名
- 過激な内容のため「ゴキブリ大行進!」はアニメ化されていない可能性が高い
- こち亀は日常的なテーマを非日常的なスケールのギャグに昇華させる魅力がある